急性低血圧を甘く見てはいけない…コロナワクチン接種後にも多数報告

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 血圧というと、高血圧ばかりが問題視されがちだが、逆に下がりすぎる「低血圧」も深刻な事態を引き起こす危険がある。東邦大学名誉教授で循環器専門医の東丸貴信氏に聞いた。

 新型コロナワクチンを接種した後、急激に血圧が下がるケースがある。

 厚労省が2021年12月24日に公表した「医療機関からの副反応疑い報告状況」によると、昨年2月17日から始まったファイザー社のワクチン接種後(推定接種回数1億6568万2882回)に「血圧低下」があった例は20件、同じく「製造販売業者からの副反応疑い報告状況」では191件。臨床検査レベルでの血圧低下は、医療機関からの報告で258件、製造販売業者からの報告では873件に上る。

 ワクチン接種後も含め、急激な血圧低下のほとんどは時間とともに回復するという。原則として治療の必要はないとされているが、意識を失って転倒し、骨折などの事故を生じることや、高齢者や基礎疾患がある人が長期にわたって血圧低下を繰り返していると、深刻な疾患につながるリスクがある。

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