急性低血圧を甘く見てはいけない…コロナワクチン接種後にも多数報告

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 また、起立性低血圧は、頚動脈内膜肥厚、プラーク、心筋障害、心機能低下と関係があることもわかった。

「起立性低血圧では末梢循環がうまく働かなくなるため、一時的に体のあちこちの微細な血管が虚血状態になります。すると末端の臓器障害が生じ、それが長期にわたると心筋細胞の壊死や血管内皮障害が生じ、心血管病が進むと考えられます。若年層であれば大きな問題ではありませんが、高齢者や基礎疾患がある人は、動脈硬化や内臓の傷みがさらに進んで心血管病が生じやすくなります」

 起立性低血圧を起こす原因疾患がある場合、まずはその治療を行う。その上で、原因がわからない人も含めて生活習慣を見直したい。

「低血圧は睡眠不足や疲労で生じやすくなるので、規則正しい生活を送ってストレスをため込まないことを心がけましょう。脱水でも低血圧を招くので、水分と塩分を適切に摂取するのも大切です。また、末端循環を改善するためにウオーキングなどでふくらはぎの筋肉を鍛えたり、手先の循環を良くするために手を握ったり開いたりする動作を繰り返すのも効果的です」

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