腰痛症は「急性腰痛」「亜急性腰痛」「慢性腰痛」と大きく3つに分類されます。発症からの期間が4週間未満は急性腰痛、4週間以上3カ月未満は亜急性腰痛、3カ月以上は慢性腰痛とされています。一般に急性腰痛症は自然に軽快することが多く、経過はおおむね良好であるとされ、慢性腰痛の予後は急性腰痛に比べると悪いといわれています。
かつて、薬物治療の第一選択は解熱鎮痛薬である「非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)」と「アセトアミノフェン」でした。しかし、2019年に腰痛診療ガイドラインが改訂され、慢性腰痛についてはNSAIDsの推奨度が下がり、セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬(SNRI)、弱オピオイド、ワクシニアウイルス接種家兎炎症皮膚抽出液などの使用も考慮するように提案されています。
とはいえ、痛みが強い急性腰痛や座骨神経痛では、やはりNSAIDsが強く推奨されているのが現状です。鎮痛効果が高い上、即効性もある優秀な薬といえます。
腰痛のクスリと正しくつきあう