腰痛のクスリと正しくつきあう

薬物治療の第一選択「NSAIDs」は食後に多めの水で服用する

写真はイメージ

 腰痛症は「急性腰痛」「亜急性腰痛」「慢性腰痛」と大きく3つに分類されます。発症からの期間が4週間未満は急性腰痛、4週間以上3カ月未満は亜急性腰痛、3カ月以上は慢性腰痛とされています。一般に急性腰痛症は自然に軽快することが多く、経過はおおむね良好であるとされ、慢性腰痛の予後は急性腰痛に比べると悪いといわれています。

 かつて、薬物治療の第一選択は解熱鎮痛薬である「非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)」と「アセトアミノフェン」でした。しかし、2019年に腰痛診療ガイドラインが改訂され、慢性腰痛についてはNSAIDsの推奨度が下がり、セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬(SNRI)、弱オピオイド、ワクシニアウイルス接種家兎炎症皮膚抽出液などの使用も考慮するように提案されています。

 とはいえ、痛みが強い急性腰痛や座骨神経痛では、やはりNSAIDsが強く推奨されているのが現状です。鎮痛効果が高い上、即効性もある優秀な薬といえます。

1 / 2 ページ

池田和彦

池田和彦

1973年、広島県広島市生まれ。第一薬科大学薬学部薬剤学科卒。広島佐伯薬剤師会会長。広島市立学校薬剤師、広島市地域ケアマネジメント会議委員などを兼務。新型コロナワクチンの集団接種業務をはじめ、公衆衛生に関する職務にも携わる。

関連記事