オミクロン株感染体験記「5~6日間熱が続き、鼻水とだるさが継続」

全く打っていない人は重症化
全く打っていない人は重症化(C)ロイター

 オミクロン株の影響もあり、一時期は収まっていた日本国内のコロナ感染者数が激増している。日本よりも早くオミクロン株の感染が拡大しているアメリカでは新規感染の1日平均は74万人(1月12日時点)。「特にニューヨークでのオミクロン株の感染の勢いはものすごく、周囲でも感染者が非常に多い。私自身、年末についに感染しました」と話すのは、本紙連載「ニューヨークからお届けします」の著者で、ニューヨーク在住のジャーナリスト、シェリーめぐみ氏だ。どういう状況だったのか、話を聞いた。

■3回目接種済みだからこその軽症

「夫が突然くしゃみを連発するようになったのです。いつもの軽い風邪だと思っていたら、私も1~2日後に鼻水が出始め、38度くらいの熱が出ました」(シェリー氏=以下同)

 夫は数日前にパーティーに出席していた。会場が半屋外で油断してマスクを外していたとのことから、コロナ感染を疑い、すぐにPCR検査を受けに行ってもらった。2日後に出た結果は、陽性。なお、PCR検査はクリニックや街中に設置されたテントで無料でいつでも受けられるので大行列で、クリスマス前の里帰りシーズンということもあり、気温0度近い寒空の下、2時間ほど並んでの検査だったという。

「夫は発熱していなかったのですが、私は症状が出始めてからずっと微熱が続いていました。その体調で行列に並ぶのはつらく、予約可能な施設でPCR検査を受けました。検査は夫の陽性が分かってから2日後。予約していたにもかかわらず実施まで1時間近く待ちました。検査2日後に陽性の結果が出ました」

 シェリー氏の症状は、最初の発熱から5~6日間の微熱。その間、鼻水とだるさが継続し、一時は上咽頭の痛みもあった。周囲で同じ時期に感染した人も、似たような症状だったという。

■2回目から半年以上経過の人は高熱が…

 ただし、シェリー氏や夫を含め、風邪程度の症状だった彼らはみな、3回目のワクチンを接種済みだった。

「2回目のワクチン接種から半年以上経過していた人は、重症化はしていませんが、数日間高熱が続き、咳もひどいという印象です。友人の看護師に聞くと、ワクチンを全く打っていない人では重症化しているそうです」

 日本では、3回目のワクチン接種が今年に入ってから本格化。自治体では接種を前倒しする動きが広がっており、医療従事者や高齢者施設の利用者、職員などは2回目の接種から6カ月以上経っていれば3回目の接種の対象となり、一般の高齢者は3月から6カ月以上経っていれば対象となる。

 とはいえ、ワクチンの供給量の問題や、接種会場、打ち手の看護師確保などの問題があり、接種の前倒しがスムーズにいくとは限らない。

 また、64歳以下の一般の人は、現段階では3回目接種が本格化するのは3月からの見通しだ。「感染しても軽症」といわれるオミクロン株でも、3回目接種済みのシェリー氏らと同程度の症状で済むかどうかは何とも言えない。今まで以上のコロナ対策が必須だ。

「ニューヨークでは、オミクロン株の流行前、感染者数が減っていたときは、かなり気が緩んでいましたね。屋内でのマスク着用、帰宅後の手洗い、まめな消毒などはみな心掛けていたとはいえ、地下鉄内でマスクをしていない人や、パーティーでマスクを外す人が結構いました。オミクロン株がはやり始めてからは、屋外でもマスクをする人が増えましたが(屋外ではマスク着用は不要となっている)」

 年が明けた今、ニューヨークの感染者数は台形のてっぺんに達しつつある様子とのこと。CDC(アメリカ疾病対策センター)は陽性反応または症状が出てからの隔離期間を、これまでの10日間から5日間に短縮し、職場に戻る際には検査不要とのガイドラインに変更しているという。

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