進行肺がん治療の最前線 新たな治療薬の承認で何が変わるのか

女性、60歳未満、非喫煙者に多い肺がんの新薬登場(C)日刊ゲンダイ

 進行肺がんへの薬物治療は、分子標的治療薬のほか、従来の抗がん剤(殺細胞性抗がん剤)、免疫チェックポイント阻害剤があり、その中で分子標的治療薬は、遺伝子変化に合わせて選択され、いわゆる個別化治療が行われている。

「がんは遺伝子の変化で起こります。肺がんの場合、ドライバー遺伝子といって、がんの発生、増殖、生存に直接関わっている遺伝子が特定されています」

■遺伝子変化に合わせて治療薬を選択

 よく知られるのがEGFR遺伝子だ。この遺伝子に変異が生じると、肺の上皮細胞の増殖の制御が困難となり、がん化する。肺がんは前述の通り、がん細胞の形態で小細胞がん、非小細胞がんに分別され、非小細胞がんは更に3つに分別されるが、今は遺伝子変化の種類に基づいて細かく分けて治療戦略が練られている。

2 / 4 ページ

関連記事