独白 愉快な“病人”たち

三遊亭あら馬さん、あと半年の余命宣告を受け…肝臓移植から復帰までを語る

三遊亭あら馬さん(本人提供)

 生後20日で胆のうを取って腸とつなげる空腸縫合手術をして以来、胆管炎を起こすことがたびたびあり、そのたびに絶食1週間の入院を繰り返しました。

 でもそれ以外の日常生活に支障はなく、むしろ活発でかなり元気な子供でした。口より先に手が出るようなスパルタ九州男児の父親に“長男”として育てられたので、ケンカも強くて友達には「女子プロレスラー」と言われていたんです。

 大学生になると、お酒を飲むようになって試験中に入院して留年しそうになったり、大学院試験も入院してしまい断念。その後、売れない役者時代を経て、結婚、出産、子育ても経験。その間も胆管炎を繰り返し、胆石を取る手術を何度もしました。

 次第に手術をしても炎症の数値が下がらなくなり、胆管細胞がんの疑いで2015年には開腹手術で肝臓の3分の1を切除しました。幸い壊死していただけで、がんではなかったのですが、年々肝臓の働きが悪くなり、2020年には白目の部分や肌が黄色くなる完全黄疸になりました。約1年間、胆汁を体の外に出す経皮経胆管ドレナージをぶら下げて仕事を続けた末、2021年に例の余命宣告を受けたのです。

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