独白 愉快な“病人”たち

三遊亭あら馬さん、あと半年の余命宣告を受け…肝臓移植から復帰までを語る

三遊亭あら馬さん(本人提供)

 当時のビリルビン値(肝機能の指標)は最大で37(㎎/デシリットル)。「死人と一緒」とか「意識障害を起こすレベル」と言われました。でも、私はなぜか頭はクリアで落語に支障はなく、肝臓移植の入院前日まで高座に上がっていました。

■手術後はほぼ全裸で過ごした

 移植までの道のりは決して簡単ではなかったのですが、移植でつらかったことをひとつ挙げるとすると「水攻め」です。弟からもらった25%の肝臓を体の中で培養しなければいけなくて、数値が安定するまで1日12リットルの水分を取る必要があり、点滴で容赦なく入れられました。

 また、口からも3~4リットル飲まなければならず、妊婦さんなら4つ子以上のお腹の張り……とにかく苦しくて拷問のようでした。でも、体が吸収するのは口から飲んだものだけだそうで、肝臓を早く大きくするためには必要なことでした。

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