60歳からの健康術

自由診療歯科医が教える歯のケア(3)奥歯から抜ける人、前歯から抜ける人

写真はイメージ

 問題は歯が抜けたときにどのような治療を受けるかにある。具体的にいうと、義歯(入れ歯)やブリッジにするか、歯科インプラントにするのか、だ。

「歯科インプラント治療とは、あごの骨にチタンなどのボルトを埋め込み、その上に人工の歯を作る治療のことです。私は患者さんの口腔内が可能な状態であればインプラントをお勧めしています。理由は入れ歯は年と共に歯肉が変化するのに合わせて作り替えていかなければならないからです。さらに入れ歯やブリッジはそれを支えている歯に過剰な負担がかかります。しかもケアが大変です。しかし、インプラントなら一度立ててしまえば自然の歯と同じように使えますし、残存歯の負担を軽減してくれます」

 患者の中には歯周病で人工歯を立てるための歯槽骨がやせ細り、インプラントができないケースもある。その場合、歯科医師によっては歯槽骨を人工骨を使って補強するやり方をとる。しかし人工骨は人間にとって異物であるため炎症が起きると厄介なことになる。

 それが最近では、自己血成分や特殊な膜を使って骨量を増やす新しい技術も普及し、より多くの人が安全にインプラント治療ができるようになっているという。

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