五十肩を徹底解剖する

安静時は痛みがあり痛くて夜も眠れない場合は凍結肩の可能性大

写真はイメージ

 凍結肩には、炎症期(疼痛期)、凍結期、解凍期と3つの時期があります。

 患者さんが安静時痛・夜間痛を訴える場合、炎症期と判断しています。主な原因は、関節包が炎症を起こし、まるで火事を起こしたかのように真っ赤にただれているためです。風邪をひいて喉が痛いとき、鏡で喉の奥をのぞくと赤く腫れているのと同じ状態です。

 凍結期では、伸縮性を持つ関節包が、火事が鎮まった後に残るススのように変化し、肩関節の中心の骨の間にベタッとこびりついた瘢痕になっています。火種はなくなったので安静痛・夜間痛はなくなりますが、可動域制限がひどいことと、動かしたときに生じる痛みが中心になります。

 解凍期は、凍結期で制限された可動域が徐々に回復する時期を指します。

 次回は凍結肩の各時期における考え方、治し方について紹介します。

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安井謙二

安井謙二

東京女子医大整形外科で年間3000人超の肩関節疾患の診療と、約1500件の肩関節手術を経験する。現在は山手クリニック(東京・下北沢)など、東京、埼玉、神奈川の複数の医療機関で肩診療を行う。

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