あの当時からの知識も含め、胃がんの特徴のあらゆるデータが今のAIにはインプットされています。だから、AIを起動させるとその部位のがんの確率は○%と示すことができるわけです。
■がんの診断は「0%」か「100%」
ただ、AI検査のビデオを見て、私は少し首をかしげました。機械だから、データを集めたAIだから仕方がないのですが、その部位は「70%がん」「80%がん」などということはあり得ないのです。がんか、がんでないか、がんの診断は「0%」か「100%」でなければなりません。そのために、内視鏡専門医は日夜、プロの目、眼力を養ってきたのです。
白血病を診断する血液学でも同様です。われわれは顕微鏡をのぞき込み、患者の血液の細胞を見て、「これは白血病細胞だ」と断言してきました。「70%白血病」などという見解はあり得ません。
がんと向き合い生きていく