8年ぶり再開の子宮頚がん予防のHPVワクチン いま知っておくべきこと

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

「WHOは全世界で2030年までにHPVワクチン接種率を90%、検診受診率を70%にすることで、今世紀中に子宮頚がんを世界から消滅させるのを目標にしています」

 実際、2020年にはHPVワクチン接種率が70%を超えている国が、中低所得国を含めすでに20カ国以上。検診受診率とワクチン接種率の高いオーストラリアでは、28年には子宮頚がんがほぼ征圧(人口10万人当たり4人以下)されると推測されるが、日本がこのレベルに達するのは、遅れること50年後の2080年だ。

「残念なことに、日本は子宮頚がん予防においてほかに例がないほど遅れてしまいました。子宮頚がんが激減している国のレベルに近づくには、並外れた努力が必要です」

■どのワクチンを受けるべきか

 現在、HPVワクチンは3種類ある。子宮頚がんを引き起こしやすい16型と18型の感染を防ぐ「2価」、それに良性のコンジローマの原因になる6型と11型の2つを加えた「4価」、さらに4価の改良版でがんに関連する5つの型を加えた「9価」だ。

「どのワクチンも非常に有効です。定期接種に使用されるのは2価と4価。子宮頚がん予防の効果が高いのは2価か9価。コンジローマ予防を考えるなら4価または9価です」

 9価は定期接種の承認はまだで、自己負担は10万円程度かかる。

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