コロナ禍でも注目 最新医療テクノロジー

乳幼児の昼寝を見守る「CCSセンサー」うつぶせ寝を検知する

写真はイメージ
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 乳幼児の保育施設では通常、昼食後の午後の時間帯に「午睡(昼寝)」の時間を設けている。そして午睡が始まると、保育士は一定の間隔で子供たちの寝姿勢や呼吸状態を観察し、午睡チェックシートに記録することが求められている。

 午睡中の事故を防止するためにも、最も注意されるのが「うつぶせ寝」。厚労省は「乳幼児突然死症候群(SIDS)」と呼ばれる乳幼児の突然死のリスクを軽減したり、窒息の危険を減らしたりするために、うつぶせ寝に注意するように指導を出している。午睡中にうつぶせになっている子供がいた場合、あおむけに直して寝かせることが大切になるのだ。

 このような午睡管理を円滑に行うために、近年では「午睡センサー」と呼ばれるICT(情報通信技術)システムを導入する施設が増えてきている。保育支援システムの企画・開発・販売を手がける「CHaiLD(チャイルド)」(東京都墨田区)が、2020年4月からサービスの提供を開始したのが一般医療機器の「CCSセンサー」。どんな仕組みの午睡センサーなのか。同社・CCS営業部の瀬口拓郎課長が言う。

「CCSセンサー本体は、長さ50ミリ×幅50ミリ×厚さ21ミリの大きさで、子供のオムツのバンド(腹部)の部分に取り付けて使用します。本体には『体動(加速度)センサー』が内蔵されていて、体の向きを計測・記録し、うつぶせ寝などを警告してくれます。また、腹部の皮膚と接する部分には体温センサーがあり、『発熱予測』を行うことも大きな特徴です」

 CCSセンサーで得られた子供たちの午睡状態は、施設内のタブレットやパソコンで一括管理できる。クラス単位での管理も可能だ。寝ているときの体の向きは、あおむけ、うつぶせ、右向き、左向きの4方向で表示され、うつぶせになるとアラームが鳴る。これらのデータは、時系列で午睡チェックシートに自動で記録される。

 発熱予測とは、発熱などの体調不良を起こす前日に保育士の端末にアラートとして表示する機能になる。

「CCSセンサーは、個々の子供専用のものですので、日々の体温推移がデータとして蓄積されます。そして異常な推移が検知された場合、体調不良が起こる可能性があることを事前に知らせてくれるのです。発熱予測の精度は92%です」

 CCSセンサーは現在、全国約120施設で2500個以上が導入されているという。

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