ただ、小腸は長いうえに壁が薄く、内視鏡の操作を誤ると壁を破いてしまう危険があります。そのため、全身麻酔をして腹ばいになり、動かないようにした状態で、2時間くらいかけて検査をしていきます。初めての経験でしたが、気づいたら検査が終わっていて、何も問題はありませんでした。不具合を起こしていたと思われる潰瘍になっている箇所もきれいに治っていました。
退院してからは徐々に通常の食事がとれて、排便も罹患前と同様に回復しました。ただ、しっかり治っているかどうか念のため確認しておいたほうがいいと言われ、新たにカプセル内視鏡検査を受けることにしました。こちらも2000年代に入ってから開発されたもので、超小型カメラが搭載された小指の先くらいの大きさのカプセル型内視鏡をのみ込み、画像診断を行います。
体内に入ったカプセル内視鏡は、腸管の蠕動運動によって進みながら、13時間ほど自動で腸内の画像を撮影します。そのデータは、体にいくつも貼り付けたセンサーを介して、位置情報とともに外部のレコーダーに転送されるという仕組みです。
上皇の執刀医「心臓病はここまで治せる」