新型コロナ第6波をどう過ごすか

3回目のワクチンに迷ったら何をすべき? 副反応情報を確認

日本でも3回目接種がスタートしている
日本でも3回目接種がスタートしている(C)共同通信社

 現在、日本で広がっているウイルスの主役は感染力の強い「BA.1」と呼ばれるオミクロン株だ。しかし、英国では亜流の「BA.2」が増えており、当局が調査を開始したという。

「BA.2」はすでに日本でも空港検疫で発見されている。重症化しやすいのか、感染力が強いかなどの特性はまだわかっていない。ただ、PCR検査で新型コロナの陽性か陰性か判断できるものの、「BA.1」か「BA.2」かは詳細な遺伝子検査でなければわからないといわれている。

 新型コロナがこうした変異を遂げる中、私たちは新型コロナに対してどのように臨むべきなのか? 公衆衛生の専門家である、岩室紳也医師に聞いた。

「日々、海外からさまざまな医療情報が入ってきますが、悪い情報に一喜一憂しないことです。医療体制はもちろん、感染対策の基本であるマスクにしてもこだわりの強い日本とは素材や使い方、使用率などが異なる海外での臨床データは参考にならない部分があります。日本の臨床データが必ずしも正確とは言えませんが、現時点ではそこから適切な分析を行い、自らの行動の参考になることを導き出すことが大切だと思います」

 では、ワクチンについてはどう考えればいいのか?

「厚労省のデータを見る限りワクチンは重症化や感染拡大防止に一定効果があったと思います。たとえば、感染者数の中の死者数の割合を年代別に見ると、第5波が収束したとみられる2021年10月26日までは大きく変わっていません。90代男性では19.7%で、ワクチンがあまり浸透していない6月末までの16.9%と大差ない。80代男性でもそれぞれ1.5%と1.2%です。女性も同じ傾向です。ところが、10月27日以降は90代の男性1.58%、女性1.22%。80代ではそれぞれ0.4%と0.5%と明らかに低下しています」

 むろん、重症化しやすいデルタ株からそうでないオミクロン株への置き換わりの影響もあった可能性は高い。

 意外と見落とされているのが海外からも不思議がられている第5波以降2カ月以上にわたって感染者数が低い水準を保っていたことだと岩室医師は言う。ブレークスルー感染もあっただろうが、感染している人から排出されるウイルス量が抑えられ、感染者数も抑えられていた可能性が否定できない。

■副反応情報にも目を通す

 逆に感染力が高いオミクロン株は、デルタ株より少ないウイルス量で感染が成立するという。海外でもワクチンの接種率が80%を下回り、かつ接種開始から8カ月を経過すると感染の再拡大が起きている。政府はやっと3回目の接種間隔を2回目から6~7カ月に短縮したが、3回目がもう少し早く開始されていたら状況は違っていた可能性は否定できない。

 とはいえ、ワクチン接種の副反応も怖い。デルタ株よりも重症化や死亡リスクが低いとされる変異株が登場、流行している今、3回目のワクチン接種の効果に迷う人もいるはずだ。

「基礎疾患のある高齢者をはじめとした重症化リスクの高い人にとって、ワクチンが重要な重症化予防策であることは間違いありません。ただし、厚労省はこれまでに2億回を超えるワクチン接種に伴う副反応についての情報を収集し、ネットで公開しています。ワクチン接種に迷ったらそれを自分の目で確認して、接種のメリットとデメリットを考え納得したうえで、自分の判断で接種するかどうかを決めることです」

 最新の新型コロナワクチンの副反応は、「第75回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会、令和3年度第26回薬事・食品衛生審議会薬事分科会医薬品等安全対策部会安全対策調査会(合同開催)資料」に詳しい。ネット検索してみるといい。

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