独白 愉快な“病人”たち

園子温監督が心筋梗塞を振り返る「もう少し病院が遠かったら死んでいたかも…」

園子温監督(提供写真)

 心筋梗塞になって、死は意外と目の前にあるなと身につまされました。ただ、死への恐怖は以前より薄らぎました。恐らく心肺停止のあの時、どうして病院に運ばれたかの記憶もなく、生と死の境目もなく、ただただきれいな景色と気持ちの良さだけを感じていたからでしょうね。

 今は月に1回検診をしに病院に行っています。

 あ、それで一つ面白いのは、そのカテーテルで手術をしてくれた主治医の息子さんの名前がシオン君で、僕が運ばれてきた時、名前が同じだったので、思わず「これは助けなければ!」と思ったそうです。こんな珍しい名前でそんな偶然があるんですね。

 なおかつ、そのとき使ったカテーテルが「シオンブルー」という名前の道具で、シオンづくしの奇跡というお話です(笑い)。

 薬は、血液をサラサラにする抗凝固薬や血圧を下げる降圧薬など毎朝6錠飲んでいます。たばこはやめようと思って禁煙していますし、お酒も控えめになりました。ガマンしているというより、以前ほど飲めなくなりました。

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