コロナ禍でも注目 最新医療テクノロジー

AIを活用した最新CTは何がすごいのか 低線量と高画質を両立

キヤノンメディカルシステムズ提供

 簡単に言えば、CTデータをディープラーニングの技術を使ってノイズだけを選択的に除去した画像へと再構成してくれるのだ。同社・CT事業部の原田智和部長が言う。

「AiCEの開発では、数十万枚のデータをディープラーニングにおける学習用データとして利用しています。低線量で撮影された低品質データから分解能を落とさず、ノイズ成分のみを低減できるよう、ターゲットとなる教師データ(『例題』に対し『正解』に相当するデータ)には当社がこれまで培ってきた再構成技術を応用して作成された高品質データが用いられています。こうして構築したネットワークをCT装置に搭載することで、さらに低線量・高画質、かつ短時間の処理が可能となりました」

 撮影時の被ばく低減については、放射線科医によって同社の従来の「AIDR-3D」と比較した研究結果がいくつかある。

 それによると、撮影条件により、腹部CTでは「約30%低減」、冠動脈CTでは「約40%低減」、小児CTでは「約50%以上低減」できると報告されている。

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