進化する糖尿病治療法

薬や治療に対する質問は大歓迎 事前にメモしておけばスムーズ

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 患者さんの中には、「先生の言うことに反論してはいけない」と思っている方がいます。「薬を変更したいと言うと嫌がられるのではないか」「質問をすると怒られるのではないか」と、言葉をのみ込んでいる方はかなりいるのではないでしょうか。

 結論から述べますと、しっかりと病気の知識を持っている患者さんからの意見や質問に、「生意気な!」「面倒な患者だな」などと思う医師は、昔ならいざ知らず、ごく少数派です(ゼロとは言えないところがつらいところですが……)。

 特に内科や整形外科など患者数が多い診療科では、どうしても診察にかける時間が短くなってしまいます。患者さんが何を不安に思っているのか、現在の治療がベストなのか、主要な訴え以外に不調はないのかなど、いろいろ知りたいのですが、時間が許しません。

 私の専門の糖尿病・内分泌領域で言えば、さまざまな合併症リスクがありますから、血糖コントロールだけでなく、体全体の状態について把握しておきたい。糖尿病が進行し、目や神経などの疾患も進行しているケースもあるからです。

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坂本昌也

坂本昌也

専門は糖尿病治療と心血管内分泌学。1970年、東京都港区生まれ。東京慈恵会医科大学卒。東京大学、千葉大学で心臓の研究を経て、現在では糖尿病患者の予防医学の観点から臨床・基礎研究を続けている。日本糖尿病学会、日本高血圧学会、日本内分泌学会の専門医・指導医・評議員を務める。

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