最期は自宅で迎えたい 知っておきたいこと

母親を亡くした息子が怒りをあらわに…重要性を痛感したACP

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 先日、埼玉県ふじみ野市で、訪問診療中の医師が散弾銃で撃たれて命を落とすという痛ましい事件がありました。心よりご冥福をお祈りしたいと思います。

 同じ在宅医療に従事する者として、他人事ではなく衝撃をもって受け止めると同時に、在宅医療そのものを改めて見直す分岐点になる事件ではと考えたのでした。読者の皆さんはどうお感じになられたでしょうか。

 私たち医師やスタッフは常に患者さんがより良い状態にあることを目指し仕事をしています。そしてそのことを患者さんやご家族も理解し受け止めていただいているものだと信じて疑いませんが、このように思いがけず残念な結果を迎えることもあるということなのです。

 以前、そんな患者さんのご家族との、微妙な関係を思い知った出来事がありました。

 あれは2021年10月ごろ。息子さんと95歳のお母さまの2人暮らしのお宅でした。

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下山祐人

下山祐人

2004年、東京医大医学部卒業。17年に在宅医療をメインとするクリニック「あけぼの診療所」開業。新宿を拠点に16キロ圏内を中心に訪問診療を行う。

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