原発不明がんの治療薬が世界初の承認 治療はどう変わるのか

原発巣が不明の場合、治療が立てにくかったが…(C)日刊ゲンダイ

 画期的な抗がん剤として注目を集める免疫チェックポイント阻害剤。そのひとつ、「ニボルマブ(製品名オプジーボ)」が昨年末、原発不明がんの薬として承認された。これまで原発不明がんには承認された薬がなく、世界初だ。しかし、原発不明がんとは、そもそもどういう病気? 近大医学部腫瘍内科の中川和彦教授に聞いた。

 がんは、肺がんなら肺、胃がんなら胃と、ある部位に最初に発生し、やがてがん細胞が血液やリンパの流れに乗って、別の部位に転移する。

 最初にがんができたところが「原発巣」で、転移したところが「転移巣」。

 治療は、原発巣が何かをもとに行われる。たとえば肺にがんが見つかっても、検査で胃からの転移と判明すれば、胃がんの治療が行われる。

 一方、原発不明がんとは、十分な検索にもかかわらず原発巣が不明なもの。原発巣が不明ということは治療が立てづらいということになる。

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