名医が答える病気と体の悩み

外科手術が必要になる「出っ歯」の状態と治療法は?

歯科医の菊池香織氏(提供写真)

「出っ歯」の手術を受ける場合、術前矯正と呼ばれる矯正治療から外科手術、術後矯正へと進む場合と、術前矯正なしで外科手術、矯正と進むパターンがあり、全てを大学病院などの大きな病院で行うか、または矯正治療は矯正歯科、外科手術は形成外科などの開業医でそれぞれを行うことも可能です。まずは歯科医院で外科手術前の歯並びの調整を行います。その後、大学病院などの口腔外科で手術を実施し、術後矯正は歯科医院で行います。

 骨格性上顎前突の手術には、主に「上顎前歯部歯槽骨切り術」があります。基本的に前歯は上下各8本ずつありますが、ここでは上の前小臼歯を左右2本抜いて、前歯の6本を骨ごと切り離し、抜歯をして出来た隙間を利用して後方に引っ込めます。ただし、上顎の手術なので、しばらくは口を動かしにくく、術後は骨を固定するために口を動かすことができないため、食事や会話に不便を強いられるケースがあります。

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