がんと向き合い生きていく

本田美奈子.さんの歌を聴いて思い出す「バンダナ贈呈式」

佐々木常雄氏(C)日刊ゲンダイ

 無菌室ではかつらの使用が禁止されています。白血病治療中の本田美奈子.さんは、抗がん剤治療の度に髪の毛が抜けるのがとても不快で、また毛穴から染み出てくる抗がん剤の臭いがとても嫌で、1日に何枚もバンダナを使ったと聞きました。贈呈式では、本田美奈子.さんのCDも2枚いただきました。もちろん、「アメイジング・グレイス」も収録されていましたが、本田美奈子.さんが作詞した曲もたくさんありました。彼女は散文や詩を書くのが好きだったようで、平和の願いを込めた歌詞が多いのです。

 最近、ラジオでたまたまシンガー・ソングライターの半崎美子さんが歌う「地球へ」という曲を耳にしました。心に響く歌で、インターネットで調べてみると、この歌詞は本田美奈子.さんの散文を基にして書かれたとのことでした。世界の平和への願い、思いは受け継がれているのだと思いました。

「地球へ」の歌詞をつづります。

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佐々木常雄

佐々木常雄

東京都立駒込病院名誉院長。専門はがん化学療法・腫瘍内科学。1945年、山形県天童市生まれ。弘前大学医学部卒。青森県立中央病院から国立がんセンター(当時)を経て、75年から都立駒込病院化学療法科に勤務。08年から12年まで同院長。がん専門医として、2万人以上に抗がん剤治療を行い、2000人以上の最期をみとってきた。日本癌治療学会名誉会員、日本胃癌学会特別会員、癌と化学療法編集顧問などを務める。

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