これまでの研究で、新型コロナウイルスの遺伝子とタンパク質が新型コロナウイルス感染症から回復した患者の精液から見つかっているという。
「これは、血液精巣関門(BTB)と呼ばれる免疫系から精子を守っているバリアー機構がありますが、このBTBが破壊されていることを意味します。つまり、精子を作る機能が障害され、精子に対する抗体ができたり、精巣内のテストステロン産生にも影響が及んでいる可能性があります」
非閉塞性無精子症と呼ばれる精巣自体に問題のある無精子症では、精巣でのACE2受容体は明らかに数が少ないことが報告されているという。
「年齢によって精巣のACE2受容体の数は異なるようです。20代より30代の方が多いようです」
それでは、精子の数は回復するのだろうか?
「報告によると、新型コロナウイルス感染症の回復の後で、72~90日間は精子濃度と運動率が減少していたようです。また別の研究でも、新型コロナウイルス感染症から回復した74人の男性で、総精子数、精子濃度、運動率は明らかに低下していました」
新型コロナ第6波をどう過ごすか