役に立つオモシロ医学論文

披露宴でのコロナ感染 ワクチンを接種していれば大丈夫?

写真はイメージ

 新型コロナウイルスの感染拡大は、私たちの日常生活に大きな影響を及ぼしました。2年以上に及ぶコロナ禍において、人が集まるお祝い事やイベントの開催を見送った方も多いと思います。実際、屋内に多くの人が集まるイベントでは、新型コロナウイルスの感染リスクを高めることが報告されています。

 そんな中、結婚式の披露宴における新型コロナウイルスの感染リスクを、ワクチンの接種状況で比較した研究論文が、米国医師会が発行しているオープンアクセスジャーナルに2022年2月1日付で掲載されました。

 この研究では、100~125人規模の結婚式披露宴に出席した75人(平均年齢37.5歳、女性76%)が対象となりました。披露宴は2021年7月に、米国ミネソタ州で屋内開催されたイベントを調査しており、この時期において米国疾病対策センター(CDC)は、ワクチン接種者におけるマスクの着用やソーシャルディスタンスなど、感染対策に関する推奨を解除していました。なお、研究対象者のうち62人が新型コロナウイルスの検査を受けています。また、ワクチンを2回接種していた人は56人、1回のみ接種していた人は4人、未接種者は15人でした。

1 / 2 ページ

青島周一

青島周一

2004年城西大学薬学部卒。保険薬局勤務を経て12年9月より中野病院(栃木県栃木市)に勤務。“薬剤師によるEBM(科学的エビデンスに基づく医療)スタイル診療支援”の確立を目指し、その実践記録を自身のブログ「薬剤師の地域医療日誌」などに書き留めている。

関連記事