腰痛のクスリと正しくつきあう

痛みを抑える外用薬は手軽だからといって安易な過剰使用は厳禁

写真はイメージ

 これまでもお話ししましたが、NSAIDsは胃粘膜の保護作用を低下させるため、胃腸障害を起こしやすくなる副作用があります。吐き気、消化不良、下痢、消化器の潰瘍や出血といった副作用や腎機能障害が表れるケースも報告されています。

 貼付薬や塗布薬は、飲み薬に比べると重大な副作用は起こりにくいとされていますが、貼ったり塗ったりすることで、皮膚から吸収された有効成分の一部は血液中に取り込まれて全身に回りますから、飲み薬を飲んだ時と同じような状態になります。過剰な量を継続して使い続けていると、それだけ副作用を起こすリスクも高くなります。

 有効成分が直腸の粘膜から吸収される坐剤は、より飲み薬に近いといえるので、それだけ副作用に注意が必要です。

 また、貼付薬は患部に貼って使用するため、皮膚のかぶれやかゆみが出るケースも多く見られます。塗布薬は手軽に使えるうえに使用感も良いため比較的人気がありますが、軟膏の油分で皮膚がベトついたりローションに含まれるアルコール成分などにより皮膚の刺激感が出たりするケースがあるようです。

2 / 3 ページ

池田和彦

池田和彦

1973年、広島県広島市生まれ。第一薬科大学薬学部薬剤学科卒。広島佐伯薬剤師会会長。広島市立学校薬剤師、広島市地域ケアマネジメント会議委員などを兼務。新型コロナワクチンの集団接種業務をはじめ、公衆衛生に関する職務にも携わる。

関連記事