東洋医学を正しく知って不調改善

花粉症にはどんな漢方薬が効果があるのか 3つの観点から捉える

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 東洋医学では、アレルギー性疾患に対して、症状に対する治療とアレルギー体質を改善する治療を考えていきます。

 漢方では3つの観点から捉えていきます。生命活動を支えるエネルギーで、心や情緒、元気と深く関係する「気」。体を巡りさまざまな組織を栄養しており、血流や体の栄養状態に関わる「血」。体を巡り全身を潤す体液で、水分代謝や免疫システムに関わる「水」。中でも「水」は鼻水、鼻づまりといった花粉症の症状と密接に関係があり、これらは主に水毒(水分代謝の異常や水の異常)の症状だと考えられています。そのため、その水分代謝を整える漢方薬を中心として処方されることになります。

 具体的に、花粉症の症状に合った漢方薬をご紹介すると、まず鼻水やくしゃみが止まらず、むくみを感じる場合は「小青竜湯」(しょうせいりゅうとう)が、胃腸虚弱などがある場合は「苓甘姜味辛夏仁湯」(りょうかんきょうみしんげにんとう)が用いられます。

 また鼻水やくしゃみに手足の冷えや倦怠感を覚える場合や、高齢者や体力虚弱の方には「麻黄附子細辛湯」(まおうぶしさいしんとう)が用いられます。

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天野陽介

天野陽介

日本医学柔整鍼灸専門学校鍼灸学科専任教員。北里大学東洋医学総合研究所医史学研究部客員研究員も務める。日本伝統鍼灸学会、東亜医学協会、全日本鍼灸学会、日本医史学会、日本東洋医学会所属。

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