60歳からの健康術

眼科編(2)女性・高齢・近視でなりやすい緑内障とはどんな病気か

写真はイメージ

 前回、60歳を境に目の機能が急速に衰えるケースが少なくない、という話を紹介した。その中には目の病気を発症するケースもある。たとえば「緑内障」だ。中途失明の25%を占めるこの病気の多くはゆっくりと視野が欠けていく。

 中には急激に眼圧が上昇し、目の痛みや充血、頭痛や吐き気などの激しい症状を伴い、視力障害が急速に進む急性緑内障を発症する人もいるがそれはまれなケースだ。「自由が丘清澤眼科」の清澤源弘院長が言う。

「緑内障の有病率は40歳以上で5%程度とされ、決して珍しい病気ではありません。しかし、発症初期は気がつきにくいうえ、多くの緑内障はゆっくり病状が進むため、自覚したときには症状が進んでいるケースが多い厄介な病気です」

 気をつけたいのは、緑内障と診断されても多くの場合、すぐに失明するのではないということ。緑内障と診断されると「失明するのか」とパニックになる人がいるが、早期診断と治療で病状の進行を十分に遅らせることができる。その結果、まったく自覚症状のないまま、天寿を全うする人も少なくないという。

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