役に立つオモシロ医学論文

低カロリー食品は無意識のうちに食べすぎてしまう…論文で報告

写真はイメージ

 ダイエットに関心が高い人では、食品のカロリー量が気になることでしょう。低カロリーな食品を選ぶことは、健康にも良いイメージがあります。一方で、カロリーが低いからと安心し、食べ過ぎてしまうことはないでしょうか。そんな中、カロリーの表示と食事の摂取量の関連性を検討した研究論文が、飲食に関する学術専門誌の電子版に2022年1月25日付で掲載されました。

 オランダで行われたこの研究では、18~65歳の37人(平均39.7歳、体格指数[BMI]25、男性19人)が対象となりました。実験室に招待された被験者は、低カロリーを意味する「light」とラベル付けされたパスタサラダを食べるグループ、または高カロリーを意味する「filling」とラベル付けされたパスタサラダを食べるグループに、ランダムに振り分けられました。さらに2週間後、「light」のパスタサラダを食べた人は「filling」のパスタサラダを、「filling」のパスタサラダを食べた人は「light」のパスタサラダを食べるよう指示され、2つのグループ間で食事の摂取量などが比較されました。なお、「light」も「filling」も実際には同じパスタサラダで、カロリー数も同等でした。

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青島周一

青島周一

2004年城西大学薬学部卒。保険薬局勤務を経て12年9月より中野病院(栃木県栃木市)に勤務。“薬剤師によるEBM(科学的エビデンスに基づく医療)スタイル診療支援”の確立を目指し、その実践記録を自身のブログ「薬剤師の地域医療日誌」などに書き留めている。

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