オミクロン株は重症化リスクは低いが…ウイルス量がなかなか減らない 治療の現場から報告

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 しかし、そうしたオミクロン株の特徴が、医療従事者の“悩みの種”になっている。江戸川病院グループ(東京・江戸川区)で新型コロナ患者の治療にあたる伊勢川拓也医師(総合診療科部長)は言う。

「重症化率および死亡率が高かったデルタ株に比べ、ワクチン未接種のままオミクロン株に罹患した患者でも軽症であるケースが多くみられます。感染して表れる上気道症状も軽いものが多く、高熱が持続する期間もデルタ株と比べると短い傾向にある印象です。基礎疾患があるなど重症化リスクがある方や、高齢者のうち酸素吸入が必要な方に入院治療を行っていますが、高齢者でも症状が軽く元気な人が多い。しかし、高熱などの強い症状が表れないことを反映してなのか、レムデシビルなどの抗ウイルス薬で治療をしていても、鼻咽頭のウイルス量がなかなか減らないのです」

 一般的に、新型コロナウイルス感染症は発症してから10日ほどで体内に抗体がつくられ回復していく。鼻咽頭の抗原定量検査で発症時に「5000(ピコグラム/ミリリットル)以上」と計測されていたウイルス量は、これまで8割以上が10日目には消失していたという。

2 / 4 ページ

関連記事