最期は自宅で迎えたい 知っておきたいこと

「5W1H」を徹底した報告が患者と家族のQOLを向上させる

写真はイメージ

 ただし、ITツールはあくまでも道具。最大の効果を生むためには、患者さんの困り事をしっかりと察知し、問題解決を目指す診療パートナー(看護師や理学療法士など有資格者)が不可欠です。ちなみにそれは誰のためのパートナーかといえば、患者さんやご家族であり、また地域の訪問看護ステーションやケアマネジャーさんです。

 最近、院内で改めて取り組んでいるのは、正しい言葉で人に伝えるということです。日本人なら日本語が話せて当たり前と考えるかもしれません。

 しかし実はきちんと日本語を話すことができる人と、できない人との間では開きがあるものなのです。経営者や管理職の方などは経験があるかと思いますが、日頃からスタッフに対して、「相手に伝わる日本語」を話すことを求めています。

 たとえばあやふやな報告をしてきたら、それを修正し、誰が誰になにをして、いつどうなるかを整理してもらう。主語を省かず、述語もしっかりと伝える。だから「てにをは」をきちんと使うことを意識しています。

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下山祐人

下山祐人

2004年、東京医大医学部卒業。17年に在宅医療をメインとするクリニック「あけぼの診療所」開業。新宿を拠点に16キロ圏内を中心に訪問診療を行う。

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