独白 愉快な“病人”たち

病名が重すぎて…看取り士会代表・柴田久美子さん語るがんとの闘い

柴田久美子さん(撮影)清水和土

■2度目のがんは経過観察を選択

 数年後、活動を鳥取に移して在宅支援を広めていく中で、知人から「顎下腺がんを手術した後、ほったらかしでしょ。一度検査してみたら?」と勧められ、12年に受けたエコー検査でわかったのが「甲状腺がん」です。

 倦怠感ぐらいしか症状がなかったのですが、がんは甲状腺の周辺に点々と飛んでいて「手術は難しい」と言われました。2度目のがんですし、やはりショックは大きかったです。

 でも、抗がん剤治療は受けたくなかったので経過観察を選択しました。「甲状腺がんの9割は何もしなくても治る」と書いてあるものを読んだので、それをよりどころに家族にもがんを伝え、治療しないことを伝えました。

「このまま死んでしまったら、在宅での尊厳死の火が消える」

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