最期は自宅で迎えたい 知っておきたいこと

ネンネンコロリではなくピンピンコロリを実現させるために

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 骨折した場合には当然、病院でも歩くためのリハビリも行いますが、それは在宅医療でも同じです。国家資格者である理学療法士が訪問し、リハビリの手助けを行います。

 この理学療法士は、生活する上での基本動作能力である〈座る、立つ、歩く〉などの回復やその維持、さらには障害の悪化の予防を目的に、運動療法や物理療法、リハビリの指導で、患者さんが自立した日常生活が送れるよう支援する役割を担っています。

 在宅医療の理解が増えるに伴って、病院ではなく、自宅でリハビリを行いたいという患者さんが確実に増えていますが、この傾向は今後もますます強くなると考えています。

 2025年には、75歳以上の高齢者の人口が全体の18.1%になると推計されています。人が自由に自分の日常生活を健康に送ることができる健康寿命の平均は、男性72.68歳、女性75.38歳であるのに対して、平均寿命は男性81.41歳、女性87.45歳。健康寿命と平均寿命でおおよそ10年の差があるわけですが、この10年を、病院や施設で過ごせば到底ピンピンコロリは望めません。

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下山祐人

下山祐人

2004年、東京医大医学部卒業。17年に在宅医療をメインとするクリニック「あけぼの診療所」開業。新宿を拠点に16キロ圏内を中心に訪問診療を行う。

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