コロナ禍でも注目 最新医療テクノロジー

頭にかぶる「ヘルメット形PET装置」認知症の診断で期待される

検査のイメージ写真(提供)量研

 全身のがんを一度に調べることができる検査機器「PET装置(PET/CT)」。腕の静脈から陽電子(ポジトロン)を放出する検査薬を注射し、その体内の分布を特殊なカメラでとらえて画像化する。

 がんの他にも、アルツハイマー病、てんかん、心筋梗塞などの診断にも使われている。現在は薬剤が集まる様子を撮影するPETと、臓器の形状を撮影するCTを組み合わせたPET/CT検査が一般的で、一度の検査で両方の画像が重ねて表示される。

 そんなPET装置を頭部専用の検査機器として特化させた「頭部専用PET装置 Vrain」が開発され、今年1月に発売された。主に脳腫瘍、脳血管障害、てんかん、アルツハイマー病をはじめとする認知症の診断に使われる。

 開発したのは国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構(以下、量研)と、アトックス(東京都港区)。Vrain開発の経緯を量研・量子医科学研究所グループリーダーの山谷泰賀氏はこう言う。

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