病気を近づけない体のメンテナンス

歯(上)虫歯の新たなメカニズムに対応した予防法 歯科医が指南

写真はイメージ

 砂糖が歯の表面にくっついて、それをエサにする細菌が繁殖することで虫歯になることは理解(従来の考え)できる。では、「砂糖」と「DFTの逆流」にはどんな関係があるのか。

「砂糖をたくさん取ると血糖値スパイク(血糖値の急激な変動)が起こります。その結果、DFTが逆流する。このとき口内の細菌が、歯の内部に吸い込まれることで虫歯になる。砂糖の摂取という原因と、虫歯になるという結果は同じですが、その間のメカニズムが違うのです」

 人は砂糖を取ると、血液中に含まれるブドウ糖の量が増え、血糖値が上がる。そのとき体は、インスリンを分泌して上がった血糖値を下げるように働く。これは自然な人体の反応で、血糖値の上下がなだらかな曲線を描いていれば問題ない。しかし、血糖値の上下が急激な角度を描くのが「血糖値スパイク」だ。

 血糖値スパイクは血管内壁を傷つけるので、糖尿病、動脈硬化、虚血性心疾患、脳血管疾患、関節性リウマチなどの発症にもつながる。

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