腰痛のクスリと正しくつきあう

鎮痛の代表的な漢方「芍薬甘草湯」は筋肉の張りが強い腰痛に使われる

写真はイメージ

 冷えが強く下肢の痛みやしびれが続く腰痛では、芍薬甘草湯に附子(ブシ)を加えた「芍薬甘草附子湯」を使うケースもあります。附子は、ハナトリカブトまたはオクトリカブトの子根を乾燥させたもので、新陳代謝を良くして血流を改善し、体を温め、痛みをとる作用があるのです。

 ただし、甘草を含む漢方薬は偽アルドステロン症が表れやすいので注意が必要です。血圧を上昇させるホルモン「アルドステロン」が増加していないのに血圧の上昇や、むくみ、体重増加が起こる場合があるのです。

 また、低カリウム血症(血清中のカリウム値が低くなること)によって、脱力感や四肢のまひなど重大な副作用のきっかけとなることもあります。ですから、安易な継続使用はお勧めしません。

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池田和彦

池田和彦

1973年、広島県広島市生まれ。第一薬科大学薬学部薬剤学科卒。広島佐伯薬剤師会会長。広島市立学校薬剤師、広島市地域ケアマネジメント会議委員などを兼務。新型コロナワクチンの集団接種業務をはじめ、公衆衛生に関する職務にも携わる。

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