名医が答える病気と体の悩み

自己流で押してはいけない「危ないツボ」はあるのか?

皮膚科医・漢方科医の泉さくら氏(提供写真)

 勝掛をはじめ、「四神聡」「当陽」「印堂」「太陽」など「奇穴」と呼ばれる特殊なツボが、いわゆる急所となるケースが多く、一般的な経絡上にあるツボとは異なります。経絡上にあるツボは、「十四経」と呼ばれます。循環系を14に分けた経絡の総称です。

 ツボと急所が同じ位置にある場合、前述したように押し方が大事になりますが、東洋医学では刺激の与え方にも法則があります。「アルントシュルツの刺激法則」と呼ばれ、刺激の強度、神経や筋の興奮性についての法則です。4段階あって、①弱い刺激……生命活動を活性化するために体内の組織の働きを目覚めさせる刺激②中程度の刺激……組織の働きを高進させ、気血の促進を起こすための刺激③強度の刺激……生理機能を抑制させるための刺激④最強の刺激……生理機能を停止させる刺激、です。①②がツボ押しと呼ばれるもので、④は急所の刺激と呼ばれるもの。③はどちらにも作用するといわれています。

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