健康長寿に役立つ高齢薬膳

【カキ】効能は「養心安神」精神を安定させ安眠に効果あり

カキのスモーキースクランブルエッグ(提供写真)

 健康の土台として重要なのが「睡眠」です。しかし、年齢とともに睡眠時間は減り、睡眠の質も下がり始めます。寝つきが悪い、ぐっすり眠れない、途中で何度も目が覚める、早朝に目が覚めてしまう……。睡眠障害にもいろいろなパターンがありますが、シニアにとって不眠が体に及ぼす悪影響は大きいもの。高血圧、糖尿病、うつなどのリスクが上がってしまいます。免疫力を高めるためにも睡眠は重要です。

 加齢によって必要な睡眠時間は短くなる傾向にありますが、それだけに質の高い睡眠を目指したいもの。食養生でぐっすり安眠、快適な朝を迎えましょう。

 不眠は中医学で「心」と呼ばれる臓器と関わりが深いとされています。心は血液を全身に循環させるとともに、精神活動、意識などもつかさどります。その働きが低下すると、不眠、やたらと夢をたくさん見て寝た気がしない、無気力、落ち込みやすいといったトラブルが表れやすいのです。

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池田陽子

池田陽子

薬膳アテンダント・食文化ジャーナリスト・全日本さば連合会広報担当サバジェンヌ。国立北京中医薬大学日本校(現・日本中医学院)で国際中医薬膳師資格を取得。近著「1日1つで今より良くなる ゆる薬膳。365日」が好評発売中。

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