科学が証明!ストレス解消法

一般的な「人間関係」が増えるほどストレスは増していく

“数”と“質”どちらを優先するかは、人それぞれ(写真はイメージ)

 その結果、家族・親戚や大学の仲間など身近な人間関係においては、付き合いの数と質と幸福度の間にはさほど関連はなかったといいます。ただし、身近な人間関係においては付き合いが多いほどストレスが少ない一方で、アルバイト先などでの一般的な人間関係が多くなると、ストレスが増えていきました。これはアルバイトのような付き合いを選べない環境下では、どうしても不満がたまっていきやすいことを示唆しています。

 また、各人に「人間関係を広く求めるか?」「狭くても心地よい関係にとどまろうとするか?」と、どちらの傾向が強いかによって、数と質の評価がどう変わるのか──についても調べました。すると、人間関係を広く求めるタイプの人は、数が幸福感と関係し、半面、狭くても心地よい関係にとどまろうとする人は、質が人生の幸福度と関係していました。

 つまり、後者の傾向がある人は、無理をしてまで人間関係を広げることに幸せを見いだしていない。普段から、狭くても心地よい関係を好むのであれば、異業種交流会などに足を運ぶのではなく、興味のある分野を深掘りしてみる、あるいは仲の良い人と共に行動範囲を広げる。そういった形で自らの可能性や交友関係を探っていった方がいいでしょう。

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堀田秀吾

堀田秀吾

1968年生まれ。言語学や法学に加え、社会心理学、脳科学の分野にも明るく、多角的な研究を展開。著書に「図解ストレス解消大全」(SBクリエイティブ)など。

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