いずれの製剤も、比較的体力があり便秘気味で腹部の圧痛を訴える方に使用されます。漢方における体質を見極める物差しの「証」でいえば、のぼせがちな「熱証」・体力がある「実証」の方に向いた漢方薬です。ですから、冷えの強い「寒証」や体力が虚弱な「虚証」の場合は控えたほうがよいでしょう。
また、この2製剤には芒硝(硫酸ナトリウム)が含まれているため、治療などで食塩(ナトリウム塩)制限を受けている場合、継続的な投与には注意が必要です。
さらに、大黄には腸を刺激して便通を促す瀉下(しゃか)作用があるため、多量に摂取すると下痢をする恐れもあります。実は先に挙げた芒硝にも、腸内の水分を増やして便を軟らかくする効果があります。ですから、桃核承気湯も通導散も、服用を続けると腹痛や下痢がひどくなり、かえって体調が悪化するケースも考えられます。副作用と思われる症状が表れた場合は中止してください。
腰痛のクスリと正しくつきあう