名医が答える病気と体の悩み

抜け毛が増えたかも…病気を心配すべき「薄毛」はある?

写真はイメージ

 次に「甲状腺機能低下症」です。代表する慢性甲状腺炎(橋本病)は、代謝をつかさどる甲状腺ホルモンの量が不足して新陳代謝が低下し、抜け毛の症状も伴います。抜け毛に加えて低体温、食欲不振、顔や足のむくみを訴える患者さんが多く、内科や精神科を受診し、採血検査で判明するケースが多いです。

 原発性の自己免疫疾患は根本治療が難しいですが、甲状腺ホルモン剤を服用して症状を抑えます。ホルモンバランスが整えば症状がよくなることもありますが、半年以上の長い時間がかかることが多いです。

 そして「びまん性脱毛症」は併発する症状が見られず、採血検査でも指摘されないケースが多いです。しかし、抜け毛(1日100~200本が正常)が多いと感じたり、局所的ではなくまんべんなく地肌が透けて見えるようになって受診に来られます。原因としては、頻繁にブリーチを行って頭皮に負担を与えていたり、ダイエットによる栄養不足、ホルモンバランスの乱れが関係しています。

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