新型コロナ第6波をどう過ごすか

10歳未満で急増 子どもが感染したらどうすればいいのか?

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写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 2月初旬のピークから減少に転じた新型コロナの新規感染者数。その減少幅は緩やかで最近では高止まりから流行再燃の懸念も出てきた。

 そのなかでも特に目立つのが10歳未満の子どもたちの感染。都内では3月の新規感染者の33%に上り、都内で初めて10歳未満の子どもが感染で亡くなった。

 10歳未満の子どもが感染したらどうしたらいいのか。公衆衛生に詳しい、岩室紳也医師に話を聞いた。

「子どもの感染で、考えるべきは主に3つあります。重症化させない、悪化したときの病院に行くタイミング、ほかの家族を感染させないことです」

 感染して高熱が出ると成人でも水分が不足する。子どもは重症化しないように水分補給を徹底することが大切になるという。

「成人では1日2~3リットルが必要です。子どもは体重によりますが、普段より多めに取るようにしましょう。喉が腫れて水分が取れないときはゼリーやアイスクリームなどを使うといい」

 新型コロナに感染したと聞くと一大事のように感じる親もいるかもしれない。しかし、子どもの感染者の多くは軽症だ。

「重症化予防のための水分補給に努めた上で、基本的に食欲があって顔色が良ければ大丈夫です。問題は、喉の奥が感染で腫れることで声がかすれたり、息がヒューヒューしたり、苦しそうだったり、機嫌が悪く、水分が取れず食欲が低下したり、意識がハッキリしなくなったりしたときです。気が付いたら速やかに受診しましょう。10歳未満の子どもは言葉で上手に説明できません。周りの大人が普段とは異なる表情や行動で異変を察知しなければなりません」

 ほかの家族に感染させないためには世話をする人の手洗い、マスクはもちろん、子どもの飛沫の管理、換気が重要になる。

「10歳未満の子どもは肺活量がないので、飛沫が遠くまで飛ぶことはありません。しかし、食事のときは注意が必要です。料理を囲んで座るのでなく、横並びにして、それぞれの食べ物に、感染しているお子さんの飛沫が飛ばないようにするのがよいでしょう。また、換気のために窓やドアを開けても、空気が流れていなければウイルスは漂い続け感染リスクは高くなります。サーキュレーターなどを使いましょう。お風呂も換気扇を回しつつ、ドアを開けて空気の流れをつくるよう意識しましょう」

 小さな子どものマスクは息が詰まる恐れがあるうえ、表情がわからなくなるので避けること。

 歯磨き粉やタオルの使い回しはせず、家人それぞれに別のタオルを使用することも大切だ。

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