認知症を予防する補聴器のすべて

大きさ・高さは調整できるが…メーカーで異なる音色は調整不可

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 音は、「大きさ」「高さ」「音色」の3つの要素で構成されています。補聴器販売店では、補聴器の音の大きさと高さは調整できますが、音色だけはできません。それは、音色はメーカーごとによって異なるからです。

 かつてこんなケースがありました。ご夫婦でいらっしゃったお客さまで、奥さまが今まで使っていた補聴器が少し聞きづらくなったので、新しいものを購入したいとのこと。

 一般的に販売員はメーカーの音作りの方向性や開発コンセプトなど特色を話すことはありますが、音色に関しては、言葉ではなかなか伝わりにくい。そこで当社では、5つのメーカーの補聴器を試し聞きしてもらっています。奥さまも5つのメーカーを試し、そのうち2つのメーカーの補聴器を選び出しました。

 メーカー名をA、Bとすると、気に入ったのはメーカーAの補聴器。でも、実際に旦那さんとの会話では、メーカーBの方が聞き返しが格段に少ない。結局AとBのどちらにするか、その場では決められず、両方をレンタル。2週間使い比べた結果、購入に至ったのはBの補聴器でした。

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田中智子

田中智子

シーメンスの補聴器部門でマーケティングの勤務を経て、2020年補聴器販売会社「うぐいすヘルスケア株式会社」設立。認定補聴器技能者資格保持。

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