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米国で4回目のコロナワクチン接種開始…「打つべきか」との混乱も

2回目のブースター接種について語るバイデン米大統領(C)ロイター

 しかし全米で見ると、感染は1日2万7000人でいまだ下降を続けており、公共の場でのマスクやワクチンの規制も次々に解除されて、ニューノーマルと呼ばれる光景が広がっています。そんな中で今4回目が必要なのか? という疑問も少なくありません。

 それ以前にアメリカでは、3回目の接種さえも進んでいないという現状があります。ブースターを打っているのは65歳以上の3人に1人にとどまっているのです。

 これに対し専門家は、3回接種した人は、オミクロン感染で死を免れる確率は2回接種に比べて21倍、重症化しない確率も7倍と高くなっているとしています。では4回目の接種はどのくらい効果があるのかというと、臨床データのほとんどはすでに接種開始しているイスラエルからのもので、まだ限定的な情報しかありません。

 ある調査では、60歳以上で4回目を打った人は、3回に比べてオミクロンでの死亡リスクが大幅に下がったとされています。ところが別の調査では、ブレークスルー感染した人の症状は3回でも4回でもあまり変わらなかったとしています。現在のところ、個々のリスクを考え合わせた上で接種するかどうかを決めるようにと、専門家は呼びかけています。

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シェリー めぐみ

シェリー めぐみ

NYハーレムから、激動のアメリカをレポートするジャーナリスト。 ダイバーシティと人種問題、次世代を切りひらくZ世代、変貌するアメリカ政治が得意分野。 早稲稲田大学政経学部卒業後1991年NYに移住、FMラジオディレクターとしてニュース/エンタメ番組を手がけるかたわら、ロッキンオンなどの音楽誌に寄稿。メアリー・J・ブライジ、マライア・キャリー、ハービー・ハンコックなど大物ミュージシャンをはじめ、インタビューした相手は2000人を超える。現在フリージャーナリストとして、ラジオ、新聞、ウェブ媒体にて、政治、社会、エンタメなどジャンルを自由自在に横断し、一歩踏みこんだ情報を届けている。 2019年、ミレニアルとZ世代が本音で未来を語る座談会プロジェクト「NYフューチャーラボ」を立ち上げ、最先端を走り続けている。 ホームページURL: https://megumedia.com

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