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1秒間に発音できる「タ」は何回?舌の動きとフレイルの関連性が判明

あなたは何回発音できる?

 2年間にわたる調査期間中に、フレイルを発症していた被験者は34人でした。解析の結果、「タ」の発音回数とフレイルの発症に統計的にも有意な関連性を認めました。1秒当たりの「タ」の平均発音回数は、フレイルを発症していない人で6.3回でしたが、フレイルを発症した人では5.9回でした。

 1秒間に「タ」を6回以上発音できない人はフレイルになりやすいことが示唆されています。論文著者らは「舌の動きがフレイルをもたらすメカニズムは完全に解明されていないものの、舌の動きが悪くなることで、食事の摂取が適切に行われず、低栄養状態がフレイルをもたらしているかもしれない」と考察しています。

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青島周一

青島周一

2004年城西大学薬学部卒。保険薬局勤務を経て12年9月より中野病院(栃木県栃木市)に勤務。“薬剤師によるEBM(科学的エビデンスに基づく医療)スタイル診療支援”の確立を目指し、その実践記録を自身のブログ「薬剤師の地域医療日誌」などに書き留めている。

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