政府や専門家は「オミクロン株」をどう見ているのか…医療情報学教授が分析

新型コロナワクチンの3回目接種を受ける感染症対策分科会の尾身会長(代表撮影)

■ウィズコロナか社会活動の再制限か議論が大切

 ただアドバイザリーボードには、具体的なコロナ対策を提言するような役割は与えられていないらしい。

 そのため資料には、従来通りの当たり障りのないことしか書かれていない。

(A)学校・幼稚園・保育園等では、教職員のワクチン接種、分散登校、リモート授業など(B)介護福祉施設では、入所者と職員に対するワクチンの3回目接種など(C)職場においては、テレワークの活用、休暇取得の促進、体調管理の徹底、ワクチンの3回目接種などが大切だとしている。

 また「今後はリバウンドの可能性が懸念される」として、マスク、手洗い、換気、密集を避けるなど、従来の対策の継続が重要としている。

 オミクロン株、とくに新たに登場したBA.2株は感染力が強い。これからゴールデンウイークにかけて感染者が大幅に増えることは、各国の状況から見てもほぼ確実である。

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永田宏

永田宏

筑波大理工学研究科修士課程修了。オリンパス光学工業、KDDI研究所、タケダライフサイエンスリサーチセンター客員研究員、鈴鹿医療科学大学医用工学部教授を歴任。オープンデータを利用して、医療介護政策の分析や、医療資源の分布等に関する研究、国民の消費動向からみた健康と疾病予防の解析などを行っている。「血液型 で分かるなりやすい病気なりにくい病気」など著書多数。

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