時間栄養学と旬の食材

アーティチョークは朝食で 食物繊維が豊富で食後血糖値を抑制

朝食に取りたい食材
朝食に取りたい食材

 アーティチョークはキク科の多年草で、チョウセンアザミとも呼ばれます。芋、ゆり根、カリフラワーの軸を合わせたような独特の食感と風味を併せ持っていて、地中海沿岸では春から初夏の旬を彩る野菜として一般家庭でも食べられている食材です。

 日本には江戸時代にオランダから持ち込まれ栽培されましたが、食材としてではなく観賞用として広まったそうです。最近、本格的なイタリアンやフレンチを提供するお店も増えたことから、日本でも流通し始めました。国内では、三浦半島をはじめ千葉県、大阪府、茨城県、神奈川県、群馬県などで無添加の良質なアーティチョークが生産されています。

 食物繊維量が大変多く100グラム中、8.6~8.7グラムと野菜の中でもトップクラス。中でもカルシウムなどのミネラルの吸収を促す働きがある水溶性食物繊維のイヌリンが含まれています。コレステロール値や中性脂肪値を下げたり、便通改善効果もありますし、朝ごはんにイヌリンを摂取することで夕食時の食後血糖値を抑制する作用も報告されています。ぜひ、朝食に取りたい食材ですね。

 また、アメリカ農務省の栄養データベースによると生のアーティチョーク100グラム中、464マイクログラムのルテイン+ゼアキサン(Lutein+Zeaxanthin)が含まれているといわれています。これは目の健康に役立つとされる栄養素。スマホやテレビから発され、夜見ることで不眠の原因にもなりえるブルーライトなどの光刺激から目を守ってくれる機能があることも分かっています。

 さらに、ポリフェノールの一種で、イタリアでは肝機能改善の医薬品にも使われているシナリンという栄養素も含まれます。抗菌、抗酸化、抗炎症、腎機能の改善をはじめ糖尿病予防や脂質の代謝促進、コレステロールや中性脂肪の減少など多くの薬効が期待され、現在研究が進められています。ベトナムでは、肝臓機能をアップしてくれるので二日酔い予防になると、アーティチョークのお茶が飲まれています。

 新鮮な味をそのまま瓶詰めにした商品や、「ハート」と呼ばれる肉厚の芯の部分だけを使った水煮やオイル漬けなども販売されています。ぜひ、探してみてはいかがでしょうか。

古谷彰子

古谷彰子

早稲田大学大学院卒。早稲田大学時間栄養学研究所招聘研究員、愛国学園短期大学准教授、アスリートフードマイスター認定講師。「食べる時間を変えれば健康になる 時間栄養学入門」「時間栄養学が明らかにした『食べ方』の法則」(ともにディスカヴァー・トゥエンティワン)などがある。

関連記事