進化する糖尿病治療法

高血圧の薬 あなたに合ったものが適切に処方されていますか

写真はイメージ

 冒頭の患者さんの奥さんの場合、主治医が高血圧の専門医だそうで、主治医からは「血液検査で高血圧に関係するホルモンの数値を見ると、血液増加タイプ。これには利尿薬がよく効くんですよ」と説明があったとのこと。血圧は目標数値をずっと維持しており、おまけに血糖値は基準値範囲内なので、「糖尿病については心配せず、薬を飲み続けると、カミサンが申しておりました」と報告がありました。

 ちなみに、使い方にコツがある利尿薬は、専門医と専門医以外では処方数に違いがあるとの指摘もあります。塩分制限など食生活に気をつけ、そして薬も飲んでいるのに血圧が下がらない人は、一度専門医を受診し薬の見直しをしてもらうといいかもしれません。また近年ではさらに新しいタイプの降圧剤も出ています。改めて、今度お話ししたいと思います。

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坂本昌也

坂本昌也

専門は糖尿病治療と心血管内分泌学。1970年、東京都港区生まれ。東京慈恵会医科大学卒。東京大学、千葉大学で心臓の研究を経て、現在では糖尿病患者の予防医学の観点から臨床・基礎研究を続けている。日本糖尿病学会、日本高血圧学会、日本内分泌学会の専門医・指導医・評議員を務める。

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