名医が答える病気と体の悩み

唇がひどく荒れやすい…どんな病気が考えられるのか?

皮膚科専門医の松浦佳奈氏(提供写真)

 ほかに「口唇ヘルペス」があります。ヘルペスウイルスの感染によって、唇に小さな水疱ができる病気です。風邪やストレスによる免疫力の低下が原因になり症状が出ます。春や秋の季節の変わり目に起こりやすい傾向があります。症状は、ぴりぴりとした違和感や熱感があり、唇が腫れて赤くなります。これは、ウイルスが内部で炎症を起こしているためで、痛みを生じます。

 発症後、数日で水ぶくれができます。通常は1週間程度で乾燥して水ぶくれが治まり、かさぶたになったら回復のサインです。ただし、口唇ヘルペスは一度感染すると、神経細胞まで感染し、免疫が落ちるたびに再発するリスクがあります。

 治療としては、ウイルスの増殖を抑える抗ヘルペスウイルス薬が処方されるケースが多く、また2次的に細菌感染の疑いがあれば抗生物質が使われることもあります。市販の軟膏もありますが、まずは皮膚科で診断してもらい、症状に合った薬を処方してもらいましょう。さらに、唇から口内に差し掛かる唇の内側に、治りにくい口内炎ができた場合は要注意です。免疫が原因の病気のサインである可能性があります。全身性の炎症性疾患の「ベーチェット病」や、大腸の炎症性疾患の「潰瘍性大腸炎」が考えられます。

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