東洋医学では基本的に「気・血・水」と呼ばれる3要素が体の中を巡り、それにより心と体の健康を保っていると考えられています。このうち、「気」は、大気や食物から取り入れる生命エネルギーのこと。そして、血液および血液によって体内に運ばれる栄養分を「血」と表します。これら「気・血」の通り道を「経絡」と呼んでいるのです。
いわゆる体の内(五臓六腑)と外(外部環境)を結ぶルートであり、体中を縦横無尽に走っています。体を維持するのに必要不可欠である一方で、病の原因である「邪気」が移動する通路でもあります。
そのためこの「経絡」にはさまざまな体調の変調が異常として表れるので、経絡を診察してその状態を把握し、整えることが東洋医学における対処の基本となっているわけです。
ちなみにこの「経絡」に表れる不調(経絡病証)は、2019年の世界保健総会において国際疾病分類第11版(ICD-11)に正式に採択収載され、統計情報の集積が今後も期待されています。
東洋医学を正しく知って不調改善
「経絡」とは? 体の内と外を結ぶルートで体中を走っている
一方みなさんがお馴染みのツボというものもあります。
「大辞林」によれば「灸をすえ、また鍼を打って効果のある人体の定まった箇所。穴。経穴」「見込むところ。図星」といった説明が並びます。ちなみに「図星を突く」という場合の「ずぼし」は、この「ツボ」や「経絡」を描いた人体図を「図法師」と呼ぶことから派生したといわれています。
ツボは、筋骨・神経や臓腑の不調が表れやすく、施術を行う上で目印のようになるもの。先の「経絡」に配属されるツボを「経穴」と呼び、反応点・診断点・治療点として特に重要視しています。
現在このツボの国際標準化が進み、正式に361に及ぶツボが定められていますが、実際にはそれ以外にも効果があるツボは数多く存在しており、我々もまだ知らない・気づいていない未知のツボが体のどこかに存在する可能性は十分あると考えています。