もうひとつがコロナワクチンの可否。やはりトランプ前大統領の影響ですが、アメリカでは反ワクチン派や反マスク派、ここから派生した陰謀論者も保守派が支配的で、これは中絶反対派のグループとも重なってきます。
ところが、彼らの主張に大きな矛盾があると指摘するのはリベラルです。ワクチンやマスク反対の根拠として、中絶を支持する擁護派とまったく同じスローガンを掲げているからです。
ワクチン反対派は「私の体のことは自分で決める」と接種拒否を正当化していますが、中絶擁護の伝統的なスローガンも同じ「私の体のことは自分で決める」です。つまりまったく同じ主張なのに、中絶に関しては認めないという矛盾が生じているのです。
これに保守政治家ものらりくらりと乗っかり、その結果、分断に振り回されるのは一般市民という、この状況そのものが“アメリカ病”という批判も少なくありません。
ニューヨークからお届けします。