コロナ禍でも注目 最新医療テクノロジー

全国20カ所以上で活躍「心房細動診断AI」は何が凄いのか

受診時に症状が出るとは限らず見つけられないことも多い(写真はイメージ)/(C)PIXTA

 不整脈の中で最も患者数が多く、国内の患者数は推計100万人とされ、診断されていない潜在患者も同程度いるとみられている「心房細動」。

 心臓の部屋(心房)が小刻みに震え、血液が停留しがちになるので、血栓が形成されて脳に飛べば重度の脳梗塞を引き起こす。

 心房細動を早期に発見できれば、血栓予防薬の投与などにより発症を抑えることができるが、そう簡単ではない。動悸や胸の不快感など心房細動の発作があっても、医療機関の受診時には症状が治まっていることが多いので、心電図に異常が見られないケースがほとんどだ。

 精密検査ではホルター心電計を24時間装着して心電図を記録する方法がある。しかし、脈の乱れがあってもそれが本当に心房細動なのかの判断は専門医でないと難しい。そんな心電図データを解析し、AIによって心房細動の診断をサポートする「心房細動診断AI」が実用化され、現在国内20施設以上の医療機関で導入されている。

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